ウマヅラハギを捌く【刺身/肝/あら汁】~薄皮もちゃんと剥きましょう~

魚を捌く

漢字では「馬面剥」と書くそうです

カワハギに似ていますが、カワハギよりも頭が伸びていて何となく間抜けな感じ

そんなウマヅラハギですが、刺身にしたら抜群です  特に食感がいいですね

加えて、ウマヅラハギは意外とお安い

行きつけの鮮魚店では300~400円くらいとリーズナブルです

ですが、捌き始めると、「??」となるポイントもあります

この記事ではウマヅラハギを捌くときに「??」となったポイントを記載していきます

同じような疑問がある方の参考になれば幸いです

ウマヅラハギの「??」ポイント

・皮(薄皮)はどうやって引くの?

・肝はどうやって処理するの?

初めて捌いたときは皮の引き方に戸惑ったものです

だって、触った感じ、明らかにほかの魚と違うんです

ウロコもなければツルツルもヌメヌメもしていない

そう、ザラザラしているんです  まるでサメ肌です(触ったことないですが)

何となく… 「カワハギは手で皮が剝げるんだよ」ってことは知っており…

やってみたんですよねー   そしたら、面白いように剥げるんですよ

とてつもなく気持ちいい  ずっと剥いていたいようです(笑)

が、そのあと問題が発生!   そう、残るんです   【薄皮】が…

表面のザラザラの皮をバリバリ剥いだ後に残る【薄皮】はどうやって剥くの??

初めて捌いたときは、どうにもうまく剥けずに薄皮付きの刺身を食べたんです

当然、口の中で残っちゃうんですよね   ガムみたいに  

これではせっかくのお刺身が台無しです

でも今は大丈夫   薄皮は他の魚の皮と同じように包丁で引けばいいんです

それと、【肝】にも悩みました

肝和えがおいしいことは分かっているんです

でも、肝って生?   寄生虫とか大丈夫??   なんて疑問が…

ひたすら調べた結果…

肝を食べるときに影響する要素は【鮮度】【寄生虫】【臭み】の3つ(※)

 (※)あきし調べです

そうです、これらをクリアすれば、生だろうと火を入れようと食べられるのです

もっとも、生と火を入れるものでは、それぞれ求められるハードルが異なります

当然、生の方が厳しいハードルになります

それでは、肝の食べ方に関係する3つの要素のポイントを確認していきます

①【鮮度】

これはもう、そのままです  魚は内臓から痛むので、少しでも新鮮なものを選びましょう

ちなみに、あきしが通う鮮魚店は、鮮度によって刺身用/焼魚用などに分かれています

肝の鮮度は… 薄いピンクで弾力あり > 赤茶色で弾力なし とのこと

でも、こういう判別難しいですよね  心配ならしっかり火を入れるようにしましょう

②【寄生虫】

アニサキスがいることがあります  基本、魚全般にアニサキスは疑ってかかるべきです

それも、アニサキスは内臓を主な住処としており、魚が死んで時間がたつと身にも移るそう…

肝なんてもろに内臓ですよね

ちなみに、調べた中ではアニサキス以外の寄生虫は確認できませんでしたよ

なので、アニサキス対策をしておけばひとまず安心です

アニサキスの弱点は次の2つです

  • 温度:60度以上で1分 OR ▲20度で24時間以上
  • 傷 :アニサキスの体への外傷(切断) ※体のどこか一部でも

調理の際はこれを踏まえて作業していきましょう

ちなみに、湯通ししたくらいの半生の肝では熱による死滅は狙えません…

半生の場合は、ひたすら包丁でたたいた上で裏ごししましょう

これで今のところ大丈夫です

③【臭み】

臭みの大きな要因は【血】です

ですので、肝の色は「ピンク~白」のなるべく肝に血が入っていないものが良いです

臭みを抜く方法ってたくさん紹介されていて、どれが良いのか分からないですよね

酒につける/水につける/湯通しする/塩を振る/醤油につける…   うーん…

今回は塩+酒を使用しています

それでは、素人が趣味でウマヅラハギを捌く過程の一部始終をご覧ください


【今回の魚】  ウマヅラハギ(350円)

【捌きポイント】薄皮もしっかり引く

        肝はアニサキス対策をしつつ半生で肝醤油

1.はじめに

まずは、流水で魚をさっと洗い、表面についた汚れを流します

ウマヅラハギはウロコはないので次の工程に行きます

2.安全対策

ウマヅラハギの頭には鋭利な角があります  ケガ防止のため、角を折ります

当初、これくらい大丈夫… とか思っていましたが、折らないとほぼ間違いなくケガします

手間でも必ず折りましょう  包丁の絵に近い部分で押し切るか、ハサミで切り取ります

かなり固いので気を付けて作業します

今回、面倒くさがり包丁を勢いよく叩きつけたら、角が大破してしまいました

ですが、鋭利な先端が除去できたので結果オーライです

3.皮を剥ぐ

口の部分を切り取り、切り口から皮を手で剥いでいきます

面白いようにバリバリ剥けますよ  目の周りは若干剥きにくいです

薄皮が残りますが、気にせず硬いザラザラの厚い皮だけ剥いていきます

身には薄皮が残っています

4.肝を取る

ウマヅラハギを頭と体部分に手で引きちぎって行きます

手で引きちぎることで、内臓を傷つけずに作業することができます

まずは、引きちぎるためのガイドラインとして、頭の後ろ側上半分を包丁で切り込みを入れます

表裏両側に切れ込みを入れたら、手で折るように引きちぎって行きます

※ちぎった後の全体像の写真取り忘れました…

頭部と胴体を分けたら、内臓を除去しつつ肝を取り分けていきます

肝が頭部とつながっている部分を包丁で切ることでごっそり頭部と分離することができます

ちなみに…内臓の一部には「苦玉」といわれる器官があります

小さな袋で中には黄色い液体が入っています  この液体がとてつもなく苦い

間違って破けてしまい身についた場合はもう食べられないくらい苦いです

一瞬で苦みが染み込み、洗っても落ちません    ご注意を

肝の処理方法はこの記事後半で記載しています

結合部
ごそっと取れます
これが苦玉です

5.身をおろす

身をおろしていきます

まずは、中骨についている血合いに切り込みを入れ、爪の背でこそげ落とします

次に、他の魚と同じように身の上側/下側に包丁でガイドラインを入れていきます

ガイドラインに沿って骨に沿って包丁を入れて進め、身をおろしていきます

なお、ウマヅラハギには赤い身がありますがここも「血合い」です

こちらの「血合い」は美味しく食べられるので、しっかりと切り取っていきます

表/裏の身をおろしたら、残った骨はあら汁用に取っておきます

血合いを落とす
ガイドラインの切れ込み

6.骨を取り除く

腹骨は薄くそぎ取ります

血合い骨は割としっかりしているので骨抜きで抜くのは少し大変…

なので、上身+血合い骨+下身に切り分けていきます

少しもったいない気もしますが、刺身と一緒に汁物を作って「具」にします

腹骨を薄くそぎ落とす
血合い骨は抜かずに切り分ける

7.皮(薄皮)を引く

ウマヅラハギは皮を手で剥ぎますが、薄皮が残ります

このため、薄皮をほかの魚と同様に包丁で引いていきます

字のごとく、薄いので無理に力を入れずに引いていきます

包丁はまな板につけたまま動かさずに、皮の方を引っ張るようにするとうまくいきます

写真にもありますが、最後に力を入れすぎて薄皮が残ってしまいました…

ここまでで身の処理は終わりです、あとは刺身用に切り分ければOK

ちなみに、薄皮は湯がいて食べると食感がおいしい   捨てずに取っておきます

薄皮と身  一部、薄皮が残ってしまった

8.肝の処理

それでは、肝の処理をしていきます

今回は塩+酒で臭みを取りますので、まずは肝に塩を塗り込みしばらく放置します

この作業は身を捌く前にやっておきました

今回は10分くらい放置しましたよ

で、そのあとお酒に漬けます  これも10分くらい放置です

塩を全体にまぶす
お酒に漬けます

日本酒に漬けている間に…

鍋にお湯を沸かします     それと、氷を入れた冷雨も用意します

お湯が沸いたら、肝を入れ、さっと湯通しします  今回は15秒くらい湯通ししました

湯通しした後は火が入りすぎないよう、すぐに肝を冷水で冷やします

冷水を用意しておく
湯通ししたら冷水へ

肝の粗熱が取れたらキッチンペーパーで水分を取ります

で、肝を食べる際のキモとなる「アニサキス対策」として包丁でひたすらたたきます

なるべく細かく、縦/横/斜めあらゆる方向からたたきまくります

自分で「アニサキスを死滅できた」と安心できるくらいたたいた後は裏ごししていきます

裏ごしした肝に醤油を適量たらせば「肝醤油」の完成です

9.頭の処理(あら汁用)

せっかくなのであら汁を作ります

まずは、口のあたりから頭を上下二つに分ける感じに包丁を入れます

すると、エラが見えてきますのでエラの付け根に包丁を入れエラを取り外します

エラが取れたら流水できれいにしておきましょう

エラの付け根を切る
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身をおろした後の骨からもダシが出ます

ヒレは臭そうなので落としたうえでブツ切りにします

鍋で沸かしたお湯に日本酒を一回しいれ、頭や骨を投入します  臭み取りです

表面が白くなったらOKです    一度ざるに上げます

ヒレは除去
頭のヒレも取る
先に薄皮を湯通ししました
ザルに避難

鍋に新しく水を張ったら、先ほど頭や骨を投入してあら汁にしていきます

10.完成

ということで完成です

湯通しした薄皮も添えてみました

刺身はなるべく薄く切るとおいしいです   肝醤油をつけていただきます

血合い肉もこう見るときれいです   生臭さもなく身とはまた違った食感でおいしい

あら汁にはネギと…試しに冷蔵庫にあった、そら豆を入れてみましたよ

うーん… そら豆、あら汁にはあいませんでした(笑)

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最後まで読んでいただきありがとうございました

この記事がウマヅラハギの薄皮や肝の処理で悩まれている方の少しでも参考になれば幸いです

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